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紫外線と皮膚


2018年07月02日

1.紫外線が皮膚に及ぼす影響
 地上に届く紫外線には、中波長紫外線(UVB) と長波長紫外線(UVA)とがあります。UVBは有害性が高く、一度にたくさん浴びると赤くなりヒリヒリするサンバーンを起こします。また、UVB は骨を作るために必要なビタミンDを皮膚で産生します。ガラスを透過しないため、窓を閉めた屋内ではビタミンDは産生されません。UVAは黒くなるサンターンを起こします。有害性は低いのですが、ガラスを透過するため屋内でも浴びる可能性があります。

2.光老化とは
 UVBもUVAも繰り返し浴びていると何十年かしてシミ・シワ・イボができて来ます。これを光老化といいます。私たちは、皮膚の老化を、歳を取るとともに起きる自然な老化(自然老化)の上に光老化が加わった状態としてみているわけです。紫外線を浴びやすい顔や前腕の外側にシミ・シワ・イボが多いのは、このためです。また、光老化が進んだ皮膚にはガンが発生しやすくなります。

3.紫外線を防ぐには?
 日傘や帽子・長袖・長ズボンで紫外線を遮ることが最も簡単です。また、紫外線量の多い午前9時から午後2時は屋外活動をできるだけ避けましょう。日焼け止め(サンスクリーン)についてですが、屋外での軽いスポーツやレジャーなどではSPF値(UVB を遮る指標)は30、PA(UVA を遮る指標)は+++あれば十分です。ただし、たっぷり塗り、汗などで流れたら塗り直すよう心掛けてください。
 
 最後に、行き過ぎた紫外線遮断は禁物です。
 食物から十分なビタミンDが取れなかった場合、ビタミンD不足に陥る可能性があるからです。たまには、木漏れ日による外気浴も良いものです。
広報委員会  武居 彰