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ポリファーマシー(多剤併用)について


2018年01月01日

最近雑誌でも時々取り上げられる言葉です。ギリシャ語で「ポリ」はたくさん、「ファーマシー」は薬です。
薬の数に厳格な定義はありませんが一般的には5-6剤以上をポリファーマシーとするようです。

現在は超高齢社会です。日本でも高齢者が3400万人となっています。4000万人まで年々増加していきます。
高齢になると体に様々な異常がでてきます。少し時代を遡れば多くの人が60代で亡くなっていましたが、今は多くの方が80-90代まで生きる時代です。そこで、定期健診などをして異常が見つかると、つい薬に頼ってしまいます。おのずと服用する薬が増えてしまいます。
私もそうですが、健康で長生きのためにと、この薬あの薬と多くなってしまいます。高齢になると腎臓や肝臓の機能が低下していきます。多くの薬を服用しすぎて、薬の副作用のリスクが増大していくのです。
現代は情報の時代です。テレビの広告のかなりの割合でサプリメント(健康補助食品)の広告を見る事が多くあります。つい、広告を見て服用すれば元気になれるのでは…痛みが止まるのでは…と期待し、購入して服用するようになりますが健康食品だから安全というわけではありません。体に必要なものであっても必要の10倍、100倍摂取すればそれだけ効果があるというわけではなく、それどころか副作用も出かねません。ある医師の話では、肝臓の数値異常があり原因がどうしてもわからず、よくよく話を聞いてみると、あるサプリメントを服用していたことがわかりました。それを中止したところ肝機能が正常化したということです。

薬を服用する時は、自分がどれくらい薬を服用しているのか、その薬が本当に必要なのか、ポリファーマシーになっていないか、新しく薬を服用して症状(めまい、しびれ、食欲不振等)が出てきていないかなど考える必要があるかもしれません。
必要な薬は多くあります。しかし薬の効果と副作用のバランスがとても大切です。
健康を望むあまり、あまり多くの薬(サプリメントも含め)に頼り過ぎないように考えてみることも本当の健康には大事なことかもしれません。
広報委員会  内坂 徹