湿布63枚― 処方を通じての医師患者信頼関係の構築は可能か? ―
ご存じの通り2022年の診療報酬改定以降、1回の処方で湿布は原則63枚までと定められています(以下参照)。もちろんその目的は適正使用の推進、医療費削減、ポリファーマーシー抑制などです。高齢化の進行とともに増加する医療費を抑制し、医療資源の適正な配分を維持するためには致し方ないことです。しかしながら患者さんの中には「1回の処方で63枚でしょう?」と毎週受診され、挙句の果てに「湿布でかぶれたのでかぶれ止めもください」とか、代理の方が来られたりとか(これは医師法第20条無診察診療の禁止に抵触)、、、。その都度診察室で上記目的を説明し、苦労されていらっしゃる先生方も少なくないことと推察します。
一方で湿布薬など外用薬は皮膚を通じて吸収され、特に高齢者などでは内服消炎鎮痛剤に比べて胃粘膜障害などの副作用が少ないというメリットがあります。一律に湿布処方を制限することは鎮痛効果が不十分となり原疾患の悪化や他の内服薬の追加が必要となる可能性もあり、すすめにくい現状もあります。
湿布に限ったことではありませんが、個々の患者の詳しい病状観察と背景を理解し、何か別の疾患が存在しないか、または他の代替治療がないかなどと絶えず考えることが重要です。そして、患者一人一人に寄り添いながら双方向性の丁寧な治療を行い、説明することで患者の納得と安心を得、ひいては患者との信頼関係につながっていくと信じてやみません。
医科診療報酬点数表 第2章 特掲審査治療 第5部 投薬
通則 5 入院中の患者以外の患者に対して、1処方につき63枚を超えて湿布薬を投薬した場合は、区分番号F000に掲げる調剤料、区分番号F100に掲げる処方料、区分番号F200に掲げる薬剤(当該超過分に係る薬剤料に限る。)、区分番号F400に掲げる処方箋料及び区分番号F500に掲げる調剤技術基本料は、算定しない。ただし、医師が疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず63枚を超えて投薬する場合には、その理由を処方箋及び診療報酬明細書に記載することで算定可能とする。
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