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―ウイズコロナ時代を迎えて―

新型コロナ第6波 ―ウイズコロナ時代を迎えて―


2022年4月14日、長野県の新型コロナウイルス新規感染者数は過去最高の868人となった。国立感染症研究所によると、新型コロナウイルス・オミクロン株は、5月第1週に93%、6月第1週に100%が「BA.2」系統に置き換わると予想されている。オミクロン株が主体となり新型コロナ感染症が軽症化したため、新型コロナは2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類指定へ見直すことが検討されている。5類指定となれば感染者増加で限界に達した保健所業務の軽減になるが問題点は多い。病院がコロナ確保病床を十分に用意できなくなる懸念がある。また医療費が自己負担になれば、新型コロナ疑い患者の受診が減る可能性がある。軽症とされるオミクロン株だが油断は禁物である。オミクロン株感染による致死率は0.13%?であり、インフルエンザの0.06〜0.09%を上回っている。重症化率は50歳以下で0.03%、60歳以上で2.49%、致死率は50歳以下で0.01%、60歳以上で1.99%と報告され、高齢者には致死的なウイルスである。オミクロン株は多数の遺伝子変異で免疫逃避が強まったが、同様に新たに多数の変異を持つウイルスが出現する確率は2?3年に1度との分析もある。今後も新型コロナウイルスは変異を繰り返しながら、感染性、病原性、免疫逃避力が高まる可能性があり、人類とウイルスのイタチごっこは当面続くものと思われる。パンデミックとなった当初の大荒れ試合から、ウイズコロナ時代では最小失点に抑えたドローゲームを目指すことになる。