健康読本53
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 気軽に受診しやすいのは精神科や心療内科の診療所です。ただし、精神症状が重い場合や行動の問題(激しい興奮、自殺や人を傷つける可能性)がある場合には、入院施設を備えた精神科病院の方がよいでしょう。なかには夜間・休日の精神科救急対応をしている病院もあります。総合病院の精神科には、治療が必要な体の病気を抱えているかたが連携した治療を受けやすいというメリットがあります。 表7には、入院治療が必要な場合が掲載されています。このほかにも、入院には、環境を変えて休息を取ることで症状を改善させる効果が期待できます。また、外来通院だけでは診断と治療が難しい場合にも入院して頂くことがあります。医療スタッフが詳細に症状を観察することでより適切な診断と治療法を決めることを目的とした短期間の入院です。表7 精神科の入院の適応となる状態 「精神科に入院するとなかなか退院させてもらえないのではないか」と心配するかたもいらっしゃると思います。入院中の処遇に疑問がある場合には、まず主治医やスタッフとよく話し合い、それでも納得ができない場合は「退院請求」をすることができる制度があります。病棟内に人権擁護のための相談窓口の電話番号を掲示することが法律で義務づけられていますので、いつでも相談することができます。都道府県の精神医療審査会から外部の精神科医が病院に来て、入院継続の必要性を判断します。●幻覚妄想状態●著しい興奮状態●躁状態●重症な自殺念慮●長く続いている諸状態 (重症うつ状態、摂食障害、依存症など)●難治性の病気で、 診断や治療法を決めるための短期入院 など16わたくしたちの健康読本

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