読本52
13/20

ら、それぞれの患者の状態に合わせる必要があります。これらのうちの一つを早い時期から使用することで、病気の進行はある程度遅くなります。早くから使用したほうが効果も出やすく進行も遅くできるため、早期に診断を受け、早期から内服することが勧められます。       一方でアルツハイマー病では、脳内のグルタミン酸という神経伝達物質の機能障害も生じるため、このグルタミン酸の機能を調整するメマンチンという薬も学習や記憶の改善に効果があります。メマンチンはそれ以外に興奮などのBPSDを軽くする効果も認められていますし、コリンエステラーゼ阻害剤と併用することも可能です。この薬は中等度ぐらいに認知症が進行したときに使われます。レビー小体型認知症については、塩酸ドネペジルが有効であることが認められています。前頭側頭型認知症については、有効性が認められている薬は今のところありません。血管性認知症についても有効とされるものはありませんが、アルツハイマー病は高齢者ではとても多い疾患ですので、血管性認知症でもしばしばアルツハイマー病が合併します。そのような場合はアルツハイマー病の薬が使われます。●アリセプト® ●ドネペジル® ●レミニール®●リバスタッチ® ●イクセロン®●メマリー® Ⓐコリンエステラーゼ阻害薬脳内のアセチルコリンを増やす薬初期から使われる/どれかひとつを使う Ⓑ NMDA受容体拮抗薬グルタミン酸の機能を調節する薬中期以上から使われるコリンエステラーゼ阻害薬との併用が可能13認知症の症状と治療

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る