3)
C型肝炎の肝庇護療法
C型肝炎の治療には、大きく分けて「肝庇
ひ
護
ご
療法」と「抗ウイルス療法」
の2種類があります。「肝庇護療法」とは、肝臓の炎症を抑えて肝細胞
の再生をうながすことで肝臓の線維化を遅らせる治療法です。C型肝炎
そのものを治す効果はないものの、副作用が少なく、高齢者でも安心し
てできる治療です。飲み薬としてはウルソデオキシコール酸、注射薬と
してはグリチルリチン製剤が広く使用されています。「除鉄療法」も有
効な肝庇護療法で、瀉
しゃ
血
けつ
と鉄制限食で体内の鉄を減らす治療です。C型
肝炎では鉄が吸収されやすく、肝臓に余分な鉄がたまると肝障害を強め
ることからこの治療法が開発されました。
4)
進歩したC型肝炎の抗ウイルス療法
C型肝炎の抗ウイルス療法はインターフェロンが基本的な治療薬でし
たが、最近は直接作動型抗ウイルス薬(DAA)が登場し、インターフェ
ロンを使わない治療も登場しました。抗ウイルス療法によるウイルス排
除率は近年格段に進歩し、80%以上となっています。さらに、近い将
来には100%に近づくことが期待されています。
現在、インターフェロンが使用できない、または効果が無い患者さん
はDAAの2剤併用による治療が推奨され(ダクラタスビルとアスナプ
レビル)、それ以外の患者さんはペグインターフェロン、リバビリン、
DAA(シメプレビル、等)の3剤併用療法が推奨されています。抗ウ
イルス療法には副作用があるので、治療に際しては内容をよく理解して
おく必要があります。また、事前にウイルスの変異や自身の体質を検査
し、どの治療法が適切か調べることもできますので、専門医に相談する
のがお勧めです。最終的にウイルスが排除されると、肝がんを発症する
確率が大きく減るので積極的な治療がすすめられています。
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C型
C型肝炎