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かぶれ(接触皮膚炎)について


2020年03月01日

 かぶれ(接触皮膚炎)は、原因物質が接触した皮膚に湿疹反応が起きる疾患です。皮膚は赤くなって腫れ、細かい水疱などが出現し、ヒリヒリ感や痒みが起きます。発症メカニズムにより、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎に分けられます。
 刺激性接触皮膚炎は、原因物質の濃度、接触頻度や接触している時間が発症に関係します。例えば、濃い硫酸がかかれば誰でも皮膚炎が起きますが、薄い硫酸ではかかってもすぐに水で洗い流せば何も起きないこともあります。また、刺激が弱い洗剤等では、頻回に接触したり接触している時間が長いと刺激の蓄積により皮膚炎が起きることがあります。原因物質は酸、アルカリ、灯油、洗剤などです。
 次はアレルギー性接触皮膚炎です。人は生まれた時には通常何に対してもアレルギーが無いので、原因物質が初めて皮膚に接触した時には何も起きません。皮膚炎は原因物質が繰り返し皮膚の中に侵入しているうちに、ある時、この物質は自分の体にとって良くないものだと体が思い込むこと(感作)を境に起きるようになります。一たび感作が起きると原因物質が皮膚の中に少しでも侵入すると常に皮膚炎が起きるようになります。つまり、今まで使用していて問題が無かった物が突然合わなくなるわけです。また、原因物質が接触してもすぐに発症せず12時間から48時間してようやく発症し、原因物質との接触を断っても2から3週間にわたり皮膚炎が続きます。そのため、自分では何が原因かわからないことも良くあります。原因の追究には原因と予測される物質を背中などに貼付するパッチテストを施行します。原因物質はニッケル、コバルト、金などの金属、染毛剤、ゴム硬化剤、ウルシなどです。
 原因がわからない湿疹が続く時には皮膚科を受診しましょう。接触皮膚炎かもしれません。
                                              広報委員 武居 彰