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日本の夫婦の離婚率
―日本の離婚率は上昇している。脳におけるストレスの感じ方には男女差があるようだ―


 平成27年度の厚生労働省の調査によると、婚姻件数は63万件であったが、離婚件数は22万件にものぼった。地域別では、最も多いのが宮崎県で45.8%、最も少ないのが東京都で27.7%で、ほとんどの県で35%前後であった。
 最近、興味深い研究が報告されたので以下に記す。米国における調査で、2001?2015年にわたる6035世帯の夫婦の収入と幸福度の関係についての追跡調査の結果、「妻が専業主婦で全く収入がない場合には、夫は経済的不安から心理的苦痛を感じ、妻が働いてその収入が増えるに従って苦痛は軽減された。しかし、妻の収入が世帯収入の40%以上になると、夫は苦痛を感じる、いわゆるU字型のグラフを表した。“稼ぎ手は男性であるべき”という伝統的慣習が圧力となっている可能性があるのかもしれない。一方、結婚前から妻に収入があり、妻の収入が夫のそれを上回っている夫婦の場合は、夫はそのような心理的苦痛を感じていない。また、妻から見た夫の心理的苦痛が最小だと感じられるのは、夫と妻の収入が同等となったときであった」というものであった。
 最近は共働き世帯が増加し夫婦間の収入の差が縮まり、会話の内容が収入の高低に及ぶこともあると思われる。脳におけるストレスの感じ方には男女差があることが窺われ、上記のような結果を頭の片隅に入れておくことで、お互いが発言に注意することで夫婦間の不和や離婚を抑制でき、ひいては少子化対策や子供の貧困対策の一助になればと思い、ここに挙げさせて頂いた。
 参考文献:Sydra J. Spousal relative income and Psychological distress. Pers Soc Psychol Bull. 2019