医療における消費税問題 ―早急に抜本的な対応を―
医療機関において設備や医薬品の仕入れ時に消費税を払うが、税を納める時には控除されず、もちろん窓口でもいただけない。日本医師会の資料によると、この「控除対象外消費税」が社会保険診療収益に占める負担割合は2.2%で、国による補填分を差し引いても毎年約2400億円を医療機関が支払っている。国はこれまでに診療報酬に上乗せという形で補填してきたというが、平成元年に0.76%, 平成9年に0.77%と合計 1.53%の上乗せであり全く足りていない。そもそも診療報酬への上乗せ方式は、医療機関によって診療形態が異なるなど問題点が多く、不公平、不透明である。医療における控除対象外消費税に関しては公平でわかりやすい「税制」による抜本的な対応が強く望まれる。
この4月から消費税が8%に増額されたが、控除対象外消費税については税制による対応はなされなかった。来年の10月には消費税が10%に上がる可能性もあり、国が一刻も早く抜本的な改正をしないと高額な設備投資が必要な医療機関にとっては死活問題にもなりかねない。