TOP > 長野県にお住まいの皆さまへ > 長野県医師会の活 > けんこうの小径 > 若里だより >

不寛容な社会ーもう少し他者に寛容になりませんかー


 先日コンビニに入った時に、思いがけず、レジのところで中年の男性客が店員に向かって激しく悪態をつきカウンターを蹴飛ばしている場面に遭遇しました。また別のある時、窓口業務の終わった銀行のATMの前で、備え付けの受話器で相手(おそらく銀行の担当者)に向かって大声で怒鳴っている人を見かけました。社会問題にもなった煽り運転をはじめSNSでの著名人のちょっとした発言の炎上、あるいは過剰なバッシング、医療現場や学校現場で過剰で理不尽な要求をする人々の存在、一般社会におけるクレイマー、公共の施設(保育園、ゴミの焼却施設、火葬場等)の建設が近隣住民の反対で中止になったり、延期になったりと他者に対する不寛容の実例にはきりがありません。これらの不寛容の根底には自己中心的な考えに基づく怒りの感情があり、攻撃的な言動に結びついています。便利に慣れすぎた社会、個をあまりに尊重しすぎる風潮や教育、インターネットの発達、個人情報の保護に名を借りた匿名性等多くの原因が考えられると思いますが、原因は複合的なものと思います。不寛容な社会は不安定であり、危うさを伴っていて息苦しさがあります。厄介なのは不寛容な社会を変える即効性のある処方箋がないことです。個々が意識してある程度気に入らないことでも受け入れる寛容性を持ち、他者の悪い部分ではなく、良い部分にもっと目を向けることでしか社会は変わらないのかもしれません。