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いわゆる健康食品の広告 ―患者が振り回されないために―


羊頭狗肉という故事成語がある。店頭に羊の頭を掲げその肉を売っているかのように見せかけつつ実際には犬の肉を売る行為が転じて、見かけは立派だが実物はそれに値しない場合に用いられる。

同様のことがいわゆる健康食品の広告にしばしば見受けられる。腹部をさする笑顔の写真付きで「毎朝すっきり、快調です」と雑誌に載せる。個人の感想ですと小さな字で示しつつ「階段の昇り降りが苦になりません」と効果を暗示する。35歳くらいに見える女性をアップして「何歳にみえますか」と質問し、「実は62歳、10年前からこれを愛用しています」と本人談を放映する。効能(?)の宣伝はしたいが、それを前面に出すと問題になる。だから便秘改善も、膝痛緩和も、アンチエイジングも、すべてイメージのみで想像させる作戦である。機能表示が法的に認められている食品は1)特定保健用食品(いわゆるトクホ) 2)ビタミン等の栄養機能食品 3)企業の届け出で表示可能な機能性表示食品の三者のみである。

三者三様に問題はあるが、特に機能性表示食品が申請のみによって認可される点は日本医師会も疑問を呈している。医師は患者に食事の摂り方、運動の重要性について解説し、健康食品に振り回されない様に説明することを忘れてはならない。