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がんと医療経済 ―薬剤費は支払い続けられるか―


がんの治療の進歩は著しい。年に何種類もの新薬が開発され、延命期間が毎年更新されていきます。特に血液がんでは不治の病が治療可能となりました。慢性骨髄性白血病ではグリベックで約9割の人が長期寛解が見込めるようになりました。しかし、薬剤費だけで月額30万円を超えますので、3割負担でも月に約10万円にもなります。悪性リンパ腫治療薬のセヴァリンイットリウム静注用セットは、一回しか使えませんが一回253万円です。急性骨髄性白血病でもゲムツズマブオゾガマイシン療法では一か月145万円の薬剤費が必要となります。

日本の医療は公的医療保険で賄われています。地方や国の税金が38%、保険料49%、患者負担を含めたその他が13%となっています。

急増する薬剤費に税金も保険料も患者負担もついて行けなくなっています。薬剤費そのものを根本的に見直す時が来ているかもしれません。