健康読本53
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 しかも、こころの病気、すなわち精神疾患により医療機関にかかっている患者数は近年大幅に増加しており、平成26年は約392万人、平成29年では400万人を超えています(図1)。内訳としては、多いものから、うつ病などの気分障害、不安障害、統合失調症、認知症などとなっており、近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。しかも、こころの病気を抱えていても、受診していないかたが多くいると考えられています。たとえば、過去12か月にうつ病になったかたで医療機関を受診した割合は30%、すなわち3人に1人だと推計されています(文献1)。図1 精神疾患を有する総患者数の推移(疾病別内訳) 厚生労働省は「患者数が多く、国を挙げて緊急に対策を講じる必要がある病気」として、「がん」「脳卒中」「心臓病」「糖尿病」を4大疾病としてきましたが、こころの病気の患者数の増加を受けて、2011年7月に、この4大疾病に「精神疾患」をあらたに付け加えて「5大疾病」と位置づけ、精神疾患に対して重点対策を行う方針を打ち出しました。資料:厚生労働省「患者調査」より(厚生労働省障害保健福祉部で作成)※H23年の調査では宮城県の一部と福島県を除いている(病名を一部改変)25.827.321.921.625.210.312.416.417.633.55.66.06.67.88.750.0 58.558.957.172.471.192.4104.195.8111.673.475.779.571.377.38.917.624.036.653.413.814.514.314.614.4050100150200250300350400450認知症(血管性など)認知症(アルツハイマー病)統合失調症、妄想性障害など不安障害、強迫性障害など、ストレス関連障害及び身体表現性障害精神作用物質使用による精神及び行動の障害その他の精神及び行動の障害てんかん258.4302.8323.3320.1392.421.8H14H17H20H23H26H2933.07.683.3127.679.256.214.2419.3(単位:万人)気分障害4わたくしたちの健康読本

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