読本52
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④ 血管性認知症 これは神経変性疾患とは異なり、動脈硬化などによって血流障害をおこすことで大脳の機能が低下する病気です。血管がつまって血流がとだえる脳梗塞と、血管が破れて出血する脳出血とがあります。いずれも脳卒中という形で突然に梗塞あるいは出血を起こし、急に認知症が出現あるいは増悪します。またこのとき脳卒中を起こした部分の脳機能だけが低下しそれ以外の脳は保たれているため、例えば道具を扱うことができないのに記憶力は正常であるなど、まだら症状になります。 血管性認知症は突然発症するタイプだけではなく、動脈硬化によって小さな脳梗塞が少しずつ少しずつ増えてきてゆっくりと悪くなるタイプもあります。この場合、認知の脳だけでなく運動の脳も侵されることが多いため、呂律がまわらなかったり、転びやすいなどの運動症状を伴うことが特徴です。動脈硬化は生活習慣病や喫煙などが原因となりますので、これらの予防で血管性認知症は発症を防ぐことができる病気です。脳梗塞または脳出血◉まだら症状部分的に能力が低下していきます。◉突然発症 階段状憎悪脳梗塞や脳出血等の発作が起こる度、階段的に認知症の症状が進みます。◉歩行障害や◉嚥下障害伴うことが多い手足の麻痺やしびれ、むせたり、食べにくくなります。特徴9認知症の原因

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