読本52
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 アルツハイマー病の初期の特徴として、何度も同じことを繰り返し聞く、という症状があります。さきほど説明してもらった事柄を、脳の中に記憶させることができないために起こる症状です。「何度も聞くな、覚えておけ」と言われてもそれは無理であることを知ってください。 異常なタンパク質は海馬だけでなく、ゆっくりと脳全体に広がってくるため記憶の障害だけでなく、さまざまな障害が出現してきます。日付や場所がわからなくなり、仕事や家事をするのに物事の段取りがつけられなくなってきます。見たものが何であるかわかりづらくなり、道で迷うようになったり、道具が使えなくなったり、服の形がわからなくなってくると着衣ができなくなります。このようにさまざまな認知機能が時間とともに低下し、平均10年ぐらいで重度となり意欲や運動能力が低下して寝たきりになります。社会での生活に援助が必要●物忘れで発症●時間の見当識障害自宅での生活に援助が必要●場所の見当識障害●失認(みたものがわからない)●失行(ものの使い方がわからない)生活のほとんどに援助が必要●人格の変化●無言・無動初 期中 期後 期 6わたくしたちの健康読本

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