読本52
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スとなり、興奮や抑うつなどの原因になることがあります。そのため最も大切なことは、認知症の人が不安でいることを知り、不安を取り除いてやるように接することです。笑顔で接すること、プライドを尊重すること、そしてちょっとしたことでも褒めること。これだけでも不安を軽くすることができます。さっき言われたことを忘れてしまい不安で同じことを何度も尋ねてきても、その不安を取り除くように何度でも答えましょう。間違いを指摘したり怒ったりすることは、ただストレスを強くしてBPSDを悪化させるだけです。 そのほか、部屋が変わるなどの環境の変化、体調不良、薬の副作用など、たくさんのストレスが認知症の人にふりかかりBPSDの原因となります。何がストレスになっているのかわからないときは一人で悩まず、他の家族や主治医、ケアマネージャー、デイサービスの職員などに相談しましょう。いろいろな面から考えた方が、より良い方法がみつかります。これらの方法でも興奮や焦燥などの症状が治まらないときは、漢方薬や抗精神病薬、抗てんかん薬などの気分を落ち着ける薬を使う場合がありますが、副作用が出やすいので注意が必要です。15認知症の症状と治療

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