わたくしたちの健康読本<糖尿病>49
9/20

5 1型糖尿病① 1型糖尿病の種類 1型糖尿病は子供や若年者に発症することの多い糖尿病で、インスリンを分泌する膵臓にあるベータ細胞が、壊されることによりインスリンが足りなくなり血糖値が上昇します。自分のベータ細胞を間違えて破壊してしまう、「自己免疫」という現象がその原因です。発症から数日でインスリン分泌がほとんどなくなってしまう「劇症1型糖尿病」、数か月から1年くらいでインスリン分泌細胞が破壊される「急性1型糖尿病」、数年以上かけてゆっくりインスリン分泌が低下し、2型糖尿病とまぎらわしい「緩徐進行型1型糖尿病」などのタイプがあります。② 1型糖尿病の治療 1型糖尿病の治療は不足するインスリンを補うことです。したがって、自分のインスリン分泌がまだ残存している場合でもインスリン注射で治療することが原則です。また、多くの1型糖尿病の患者さんでは、自分のインスリン分泌がゼロか著しく低下していますので、インスリン注射をしないと、血糖値が上昇するだけではなく、血液が酸性になり意識不明から、最終的には命にかかわります。生命の維持そのものにインスリンが必要ということで、このような状態を「インスリン依存状態」と呼びます。1型糖尿病  1 型糖尿病9

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です