わたしたちの健康読本48 心臓の病気
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 心房細動はそれ自体問題ないのですが、左心房内で血液がうっ滞するため、血栓ができやすくなります。血栓が飛んで、脳の血管が詰まると脳梗塞を起こしますから、血栓予防の治療が欠かせません(図9)。ワルファリンは血液が固まり(凝固)にくくなる、確実に効果がある優れた薬ですが、効き過ぎると出血を起こす危険性があります。1~2ヵ月毎に血液の凝固状態を調べる血液検査が必要となります。腸内でビタミンKをつくり出したり、ビタミンKを大量に含む食品、例えば納豆、青汁、クロレラはワルファリンの作用を打ち消してしまうため、食べてはいけません。最近、血液検査や食事制限を必要としない、ワルファリンに代わる新しい抗凝固薬(プラザキサ®、イグザレルト®、エリキュース®、リクシアナ®)も発売されています。 心臓が不規則に拍動することにより、動悸や息苦しさの症状が強い場合は、抗不整脈薬で心房細動をおさえます。カテーテルアブレーションという異常な興奮回路を焼き切る根本治療もあります。完治率は70~80%です。13不整脈  不整脈 図9 心房細動による脳梗塞資料提供:心房細動週間ウェブサイト 

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